
考えていることも、見ていることも、
ぜんぶ頭の中のことなんだよなあ…って思うんですよ。
結局、ぼくらが世界だと思ってるものも、
このズガイコツの中の脳みそで処理された像なんだよね。
外の世界を直接見てるわけじゃなくて、
目というカメラで撮った映像を脳が編集して、
「はい、これが現実ですよ」って渡してくる。
そう考えると、ドクロってのは、
むき出しの頭そのもので、なんだか哲学的な象徴に見えてくる。
それにしても、このドクロというモチーフは、
アイコンとして超強力だと思う。
一瞬で人の視線をかっさらうし、
怖いとか、カッコいいとか、ユーモラスとか、
どんな意味にも自在に転がせる。
シンプルで、むしろ記号みたいな顔だから、
描けば描くほどバリエーションが生まれるんですよね。
しかも、「死」や「記憶」といった大きなテーマとも
自然につながってしまうところがズルい。
思い返せば、昭和の頃から
ガイコツはヒーローとしてすでに存在感を放ってました。
たとえば紙芝居の「黄金バット」。
あの不気味な顔と金色のマント、
子どもながらに強烈な印象を受けた記憶があります。
最近だと、ディズニー映画「リメンバー・ミー」。
あれもガイコツのキャラクターが
あれだけ可愛くて、あったかい物語を背負えるなんて、
発想の勝利だと思いました。
そんなふうに、古今東西、
ガイコツはずっと人を惹きつけるアイコンであり続けてる。
だからぼくも、あやかってみようかなと思うわけです。
このシリーズの中で、
ときどき気まぐれに登場させて、
遊び心とほんの少しのメッセージを
乗せてみようかな、と。
そんなわけで、これからこのドクロが、時々ひょっこり顔を出すかもしれません。