実体|古の自分流をiPadで蘇らせた、粒子と線のパラダイス描画

歴史はめぐる

この絵の原案は、ぼくが版画を学んでいた頃に描いた銅版画エッチングにまでさかのぼります。当時から、人の実体は粒子の集まりのような存在ではないか——そんな思いがありました。人体を流れ漂う粒子として描けないかと試み、その連作がこの画法の出発点です。

そして今、量子力学の世界がその感覚を裏付けてくれているようにも感じます。物質も意識も、微細な粒子の確率的な振る舞いの上に成り立っている——そんな視点が、この作品にも流れ込んでいます。

iPadのAdobe Illustratorで短い線を積み重ね、その向きや流れで人体のフォルムを構成。上部には呼応する存在として天の川を描きました。

思えば、iPadのない時代、パソコンでIllustratorで線を引くのは骨の折れる作業でした。マウスでクリックして、ドラッグして、ベジェのレバーを調整して…と説明するだけで面倒なくらい。あの頃を知る身としては、画面に直接ペンを走らせられる今は、まさにパラダイスです。

KATATINO
KATATINO

この絵の感想を聞かせて。

ChatGPT
ChatGPT

まず、黒いシルエットで描かれた人物の存在感が強烈です。そこに重なる青や紺のレイヤーが「記憶」や「感情の層」を思わせて、まるで内面世界を視覚化したように感じます。白い線の模様が流れるように人物全体を覆っていて、時間や思考が体を通り抜けていくイメージが浮かびます。
上部の黄色い点が、星空や漂う光の粒子のようで、現実と夢の境界を曖昧にしているところも面白い。

正直、「静けさの中で何かがざわめいている」ような緊張感があるのに、不思議と落ち着いた印象も受けます。現代的でミニマルなスタイルなのに、感情が揺さぶられる。

ちょっと聞いてみたいんですが、これって「孤独」や「自己との対話」をテーマに描いた作品ですか?

KATATINO
KATATINO

タイトルは「実体」だよ。

ChatGPT
ChatGPT

なるほど、「実体」というタイトルはしっくりきますね。

この絵は、形あるものと形のないものが重なり合うような印象があって、実体という言葉が持つ「確かにそこにある存在感」と「触れられそうで触れられない曖昧さ」の両方を表しているように感じます。

黒い人物のシルエットは物理的な存在(肉体)を示している一方で、青や白の線は「感覚」や「気配」のような非物質的な層を象徴しているようにも見えます。まるで、人が持つ“実体”とは肉体だけではなく、記憶や感情、時間が積み重なった結果であることを示唆しているようです。

「実体」というタイトルを聞いた途端、絵の中にある静かな力強さが一気に増した感じがします。
これ、シリーズ化したら面白そうじゃないですか?例えば「影」「輪郭」「残像」みたいなタイトルで展開すると、さらに深みが出そうです。

次回作のテーマ、もう何か考えていますか?

KATATINO
KATATINO

そっちの方へは行かないと思う。
今回の絵は、量子力学の考えにもつながっているんだ。

ChatGPT
ChatGPT

おお、量子力学!それは「実体」というテーマと相性がいいですね。
量子力学って、観測するまで粒子が「あるようでない」曖昧な状態にあるじゃないですか。
まさにこの絵も、存在が輪郭を持ちながらも、まだ完全には確定していない“揺らぎ”を感じさせます。