入館制限

ややこしいですが、マーケティングの話です。

この間、母の入居している老人ホームに行った時のこと。
母が自分では病院に行けないので、ぼくが定期的に、
代理で病院に行って薬をホームに届けている。

それで、先日も薬と少しの衣類を届けに行ったのだけど、
正面の入口に「入館制限」と大きな貼り紙がある。

この老人ホームの正面入り口の説明

入り口の自動ドアを入ると下駄箱や車椅子のあるスペースになっています。

介護施設なので出入口はエアロックのように二重になっていて、
入るとすぐにもう一つドアがある構造なのです。

二つ目のドアの向こうは大きなフロアで手前にカウンターがあって
5~6人のスタッフが詰めています。

入居者は2階より上で暮らしていて、
一階のそのフロアは出入りや面会の時以外で入居者を見たことがありません。

そのように入居者との距離が確保されていることもあって
「まあいいか」と自動ドアを入った。
すると、慌てた様子で、スタッフが出てきた。

薬や衣類はいつものように、カウンターのところで母の担当者に渡そうと思い、
「薬を持ってきたので入れますか?」と聞くと「ダメです!」と即答。

何か言う空気ではなかったので、持ってきたものを渡して引き返した。

戻りの車の中で、担当者から電話があり、保険証など確認の必要がある書類や記入する書類があると言うことで、ホームに戻って、扉の外で証書の確認を済ませて、
屋内には入れないので、担当者が持ち出してきた机で書類に記入した。

 

なんでこうなったのか?

インターフォンで呼び出せばよかったらしい。
言われてみると入り口の左側には、A3くらいの矢印が印字された紙が貼ってあって、その横に「来訪者は必ずインターフォンを・・・」と説明書きがあり、その先にインターフォンがある。

言われれば、そうなってる。。

「入館制限」の表示は「入」「館」「制」「限」とそれぞれの文字がA3ほどの紙に赤字で印刷され、横に4枚並べて自動ドアのガラスに貼ってある。

これも後で気がついたが、その下に、
「施設内感染対応中につき入館禁止とさせて頂いております。」
と印刷された紙が貼ってある。

ああそうか。
「入館制限」の表示が目立ちすぎて、他の紙が目に入っていなかったんだな。

自分の見落としを棚に上げて言うけれど、
これって、マーケティングでいうCTAをミスっている。

 

CTA

CTAは「コール・トゥ・アクション」でセールスページなどで来訪者にしてほしい行動のこと。
たいてい「下のボタンをクリック」とかあって、そこにはでっかいボタンがあるのが通常です。

今回の場合、目に入ったのが「入館制限」では、
どう行動したらいいのかわからない。
足は先に進んでいて、頭では「制限って、誰に?どんな?」と軽くハテナマークが出ている。
その結果、見てたかもしれない「入館禁止」や「矢印」が脳で処理される前に自動ドアが開いてしまう。

なので、

「入館したい方は、左のインターフォンでお話しください」
と正面の目立つところに表示するのが正解だと思います。

言えなかったけど。

 

使用画材:iPad ProとApple Pencil、アプリはArtSetを使用
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