冒頭の写真。どうですか?
久しぶりに手に入れたフィルムカメラのKLASSEで撮影してみたものです。
古いカメラで、もっともっと古い客船「氷川丸」を撮りました。
「エモい」感じって、出てますかね?
雰囲気出すために、フィルムコマの枠をトリミングせずに残しましたが、フィルムからのデジタイズしっぱなしで、特になんの編集もしてません。
画像は少し粗い印象で、やっぱり粒子感がありますね。
ちょっと昔の絵ハガキみたいに感じました。
印刷物を虫メガネで見るとザラついて粒子っぽいですから絵ハガキ風に見えるのかも。
粗さも粒子っぽさもこの写真の味になってる感じがします。
ちなみにKLASSEに装填したフィルムはコダックのULTRAMAX 400です。
D700との比較
同じ構図で、デジタル一眼レフカメラのニコンD700で撮ってみました。
できるだけ設定を近づけて撮影したのが、下の写真です。
レンズは28-75mmのタムロンのズームで、焦点距離40mm、絞りf16、ISO400。
シャッタースピードは1/200ですが、露出優先のKLASSEでは確認できないのでなりゆき。
D700も解像度が1210万画素と、最新型というわけではないですが、今風にシャープな写りだと思います。
煙突周りを拡大してみるとこんな感じ。
D700の方はデッキにいる人々の顔だちまでわかりそうです。
デジタルカメラで撮った写真は、とにかくクリア。
新しいカメラは年々、センサーの高解像度化とレンズの高性能化が進んでいます。
そんなカメラで撮った写真を拡大すると、何がどこにあってどういう構造をしていてと、どこまでも解像して隠れているものも暴いていくような凄みがあります。
撮った後で、いろんな発見ができるのはデジタル写真の楽しみの一つです。
その点フィルムのKLASSEでは人々は背景に溶け込みそうになっています。
拡大すると画像を構成している粒子がよくわかります。
写っているものは、あるところからじんわりと周りの粒子に融合します。
カメラやレンズが違えばどうなのか?フィルムを換えるとどう違うのか?
よくわからないところは多々ありますが、この粒子感がフィルム描写の特徴なのは違いないでしょう。
フィルム独自の色味
下の写真は、デパートの屋上庭園のカフェの看板ツリー?を撮ったもの。
木の色がかなり紫に転んで面白い写真になっています。
KLASSEというより、コダックのフィルムのおかげなんでしょうけど、茶色とか渋い紫が場合によって、こんなパープルな色味になります。
ネオンの赤と響きあって感じよし!
どういう条件でパープルになるのかイマイチ謎なんですが。
そうか、フィルムカメラ好きの人たちには、こんな意外な「アタリ」を楽しみにしてる面もあるのかな。うん。
そして、次が同じモチーフをD700で撮ったものです。
KLASSEの設定に合わせて、焦点距離40mm、絞りf2.8、ISO400で撮りました。
木は普通の色でしょ。
フィルムの方が絵に近い?
フィルム写真は粒子が集まって写真を構成しているので、あんまり細かい描写は苦手。
印象派のスーラやモネの点描画みたいなもんです。
その分、シルエットがざっくりしてて、余計なものが目立たないとも言えます。
氷川丸の写真を見ても、船体が黒々と伸びていて、マストがスッって立ってる感じが出てる。
構成がシンプルに見えるんですね。
また、フィルム独自の色味の出方も魅力です。
このカフェの木の写真なんか、どっちを元に絵を描きたいかと言えば、断然KLASSEで撮った写真をベースにした方が楽しい絵になりそうです。